免疫力を維持する暑い夏を乗り切る予防と対策
梅雨明け前ですが、全国的に高温の日が続いており、外出するのも危険な状況です。暑さはまだまだこれから本格化します。しっかり免疫力を維持して、この暑い夏を乗り切りましょう。
そもそも「免疫」とは何か
免疫とは、病原体(ウイルスや細菌など)や有害物質から体を守るための防御システムで、自然免疫と獲得免疫に分類されます。自然免疫は、体が最初から持っている病気に対する防御システムで、外敵が侵入するとすぐに攻撃します。一方、獲得免疫は、体が病原体と戦った経験を元に学び、次に同じ病原体が来たときにより強く、早く戦うシステムです。
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自然免疫の特徴
すぐに働く
病原体が体に入るとすぐに反応
特定の病気に特化していない
どんな病気の原因でも、同じように戦う
基本的な防御方法
皮膚や粘膜(鼻や口の内側など)がバリアとなって病原体の侵入を防ぎ、白血球が病原体を攻撃する
自然免疫はお城の周りの堀や門のようなものです。どんな敵が来ても、すぐに防ぐための基本的な守りをしています。
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獲得免疫の特徴
学習と記憶
一度体に入った病原体の情報を覚えて、次に同じ病原体が入ったときに素早く対応
特定の病気に特化
特定の病原体に対して強く反応
時間がかかる
初めての病原体に対しては少し時間がかかるが、次に同じ病原体が来ると早く対応
獲得免疫はお城の中にいる騎士団のようなものです。一度敵と戦って、その敵の戦い方を覚えて、次に同じ敵が来たときにより強力に戦います。
あなたの免疫力は大丈夫?
心当たりが多くあれば、免疫力が低下しているサインです。
免疫力は、夏が一番低下する
一年のうちで、免疫力が一番低下しやすいのが「夏」だということはご存じですか?
夏は、暑さからくる複数の要因が重なって、免疫力が下がりやすい傾向があります。
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1. 食欲低下
暑い日が続くと食欲が湧かず、冷たいそうめんやあっさりした食事が多くなりがちです。しかし、これらの食事ではビタミン、ミネラル、タンパク質が不足しやすく、栄養素が不足することは免疫力の低下につながります。
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2.冷たい食べ物で腸が冷える
夏の間、冷たい飲み物や麺類、アイスクリームなどを多く摂ることで腸が冷えて働きが低下してしまいます。免疫細胞の約7割は腸に集中しているため、腸の働きが落ちれば免疫力も自然と低下します。
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3.睡眠不足
夏は日が暮れるのが遅く、イベントや旅行で生活リズムが崩れやすくなります。また、熱帯夜やエアコンの温度調整がうまくできないことで、眠りの質が悪くなったり、睡眠不足になったりします。これにより自律神経が乱れ、免疫力が低下してしまいます。
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4.冷房の使用
冷房の使用による急激な温度変化は、体温調節に大きな負担をかけ、免疫力を低下させます。暑い屋外から冷房の効いた室内への移動でエネルギーを消耗し、免疫システムが弱まってしまいます。
夏の免疫力をアップさせる生活習慣
免疫力について理解したあとは、それを生活習慣に取り入れることが重要です。暑い日が続く夏でもできる免疫力維持、さらには免疫力アップの方法を知り、無理せずできることから始めてみましょう。
※あまりに暑い日は外出を避け、エアコンなどをしっかり使いましょう。
バランスの取れた食事
栄養豊富な食品
ビタミンCが豊富なオレンジやイチゴ、ビタミンEを含むアーモンド、鉄分が多いほうれん草を積極的に摂取
プロバイオティクス食品
ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品で腸内環境を整える
水分補給
飲み物
体を冷やしすぎないように注意し、なるべく常温や少し冷えた水を選ぶ
適度な運動
軽いエクササイズ
朝や夕方の涼しい時間帯にウォーキングや軽いジョギングをする
室内運動
暑い日にはエアコンの効いた室内でヨガやストレッチを行う
質の良い睡眠
涼しい環境で眠る
寝室を適度に冷やし、快適な睡眠環境を整える
エアコンの設定温度ではなく、室温が28度程度になるように調整するのがおすすめ
寝る前のリラックスタイム
寝る前に温かいハーブティーを飲んだり、軽い読書をしてリラックスする
ストレス管理
リラクゼーション
日常的に深呼吸や瞑想を取り入れて、静かな時間を持つことでストレスを軽減させる
温度管理
急激な温度変化を避ける
冷房の効いた室内から屋外に出る際には、少しずつ温度を調整
適度な温度設定
冷房の温度を適度に設定し、扇風機を併用して冷えすぎを防ぐ
まとめ
命に関わる危険な暑さとなる日が増えることが予想されています。夏を乗り切るためには免疫力が大切です。生活習慣を見直し、免疫力を維持、さらには免疫力を高める方法を取り入れてみましょう。