永尾司×宇都義浩 特別対談 Vol.1瞬芽ブドウ種子成分が
人類の健康に与える影響と可能性
私たち日本人の平均寿命は80歳を越え、90歳にも手が届くまでになっています。
しかしながら、健康に生活できる期間である「健康寿命」は、平均寿命よりも短いということも同時にわかっています。
株式会社フィジカルは創業以来、常に人々の健康について考えて研究・開発を続け、日本のみならず世界中の人々が人生を豊かに過ごすために何ができるかを創造し続けてきました。
この熱い思いと瞬芽ブドウ種子成分の目を見張る効果を、アカデミックな立場から研究されてきたのが、国立大学教授の宇都義浩先生です。
今回は、宇都義浩先生に、弊社代表取締役永尾司が対談をお願いしました。
『瞬芽ブドウ種子成分』への思いと、豊富な研究実績がつながる
はじめに、宇都先生のご専門をお伺いできますか?
宇都義浩先生(以下宇都):国立大学の教授を務めており、もともとはがんの薬や抗がん剤を作るための研究をしてきました。
現在は、健康食品の素材や化粧品の原料などの多様な機能性を、細胞、マウス、最終的には人を対象に臨床試験を行ってデータを収集しています。同時に、それらの新しい可能性を見出し、世の中に広めるための研究もしています。
弊社代表永尾と宇都先生の出会いを教えてください。
永尾司(以下永尾):昔から繋がりのある製薬会社からの紹介でお会いしました。
私どもは幅広い知識を持ち、研究室で実験を行い、その結果を理論的に構築できる方を探していました。
実験ができて理論構築もできる先生はなかなか見つかりませんでした。そんな時に宇都先生にお会いして。
結果として、宇都先生は私たちの理想の先生だと思いました。
宇都先生は、最初に話を聞いた時はどう思いましたか?
宇都:代表の熱い思いと瞬芽ブドウ種子成分そのものの素晴らしさに触れて、これは面白い仕事だと感じ、一緒にやりましょうということになりました。
『瞬芽ブドウ種子成分』の研究で発見されたマルチな効果
瞬芽ブドウ種子成分と共同研究について教えてください。
永尾:瞬芽ブドウ種子は「発芽する直前のブドウ種子」という意味で私たちが名づけました。
宇都:種が発芽するときには、生命を動かすための力が一気に生じる必要があります。その中心的な役割を担うのが、エネルギー供給を行うミトコンドリアです。発芽の過程で、ミトコンドリアを強く活性化させる物質や、細胞を分化させるための因子が現れているのだろうと考えたんです。
実は、種というものが仮死状態から、発芽で一気に動き出す際にどのような成分が出るのかについて、ほとんど研究がされていなかったので、とても大きな発見でした。
ミトコンドリアの活性化は体の活力や細胞の再生能力につながります。その再生能力が老化に対して、さらには老化に関連する体の不調にも効果があるのではないかと考え関係を研究しました。また、ミトコンドリアの機能改善が、炎症性疾患、花粉症、アトピーに対してどのように抗炎症作用をもたらすかについても研究しています。
現在、免疫の研究も行っていますが、炎症を引き起こした免疫系に対して、瞬芽ブドウ種子成分が炎症を抑制する力を持つという臨床結果も得られています。
実際、日本皮膚免疫アレルギー学会でも発表しましたが、瞬芽ブドウ種子成分はかゆみや炎症を抑制するだけでなく、皮膚の再生も促進する効果があることがわかってきました。
永尾:宇都先生が言われたように、しっかり炎症は抑えるけれど皮膚も再生成長させるというところが効果として表れています。なので、小さいお子さんなどにも使ってもらえるのではないかと思っています。
現在はたくさんの効果があることがわかっている瞬芽ブドウ種子成分ですが、研究されているときに苦労などはありましたか。
宇都:私が以前研究していた、薬というのは一方向の効果なのでシンプルなのですが、瞬芽ブドウ種子はマルチな効果があることが大きな違いです。
研究で一番大切なのは、どういうメカニズムでどういう効果があるかということを立証していくことです。でも、瞬芽ブドウ種子はいろんなものに効いてしまうので、立証していくのがとても大変でした。例えば、Aという成分が効いているのか、それとも、ABCという成分が複合的に効いているのかという解析が、ブドウ種子という天然物なのでとても難しかったです。 いろんなものに効果があるということは、ある症状にはAとBの成分が効いて、ある症状にはCとDが効くとか、その組み合わせが変わってくる、それを解析するのがすごく大変でしたね。
今でもどんどん新しい研究をしていて、7-8年ほど研究を続けています。
永尾:先生が言われたように多様な力をもっているので、瞬芽ブドウ種子という1つの成分が、免疫を上げたり下げたりして正常なラインに向かわせるという働きをしている。これはとても面白いことなんだけど、それを理論構築していくというところが、非常に難しいというのがあります。
ピンポイントで効果を求める人は、自分が求めている効果が本当に得られるのかというところを気にされると思います。
効果が広いということが、逆にそれを理解してもらうことが難しくなってしまう側面もあるように思いますが。
宇都:いろんな機能性が見えてきたというところで、これからはどういう成分がどのように効いてるのかを、もう少し細かく見ていくことが課題かなと思っています。
まずは、一番注目している炎症性疾患というところです。
これに対して、まずはしっかり研究をして炎症性疾患に対してどういう効果があるかを説明していくことで、皆さんにも求められるものになっていくと思っています。
永尾:これまでの研究結果を考えても、これほどいろんな成果が出る成分はないと思うんですが、宇都先生はどう思いますか?
宇都:そうですね。これほど広く効果があるものは、僕の知っている範囲ではないと思います。
永尾:医薬品となると大規模臨床をおこなって、メカニズムを解明していく。それには10年単位になると思うのですが、私たちは、もっと多くの人に早く届けるということが最終目標。10年の間に、悩んでいる人が少しでも苦しい思いから救われるのであれば、私はそれがいいと思うんです。
宇都:FDA(アメリカ食品医薬品局)とか世界の基準というのは日本とは全く逆で、ちゃんとしたエビデンスが臨床試験まで出れば、どんな食品だろうと効果をはっきり言うことができます。ところが、日本だと効果を明言できない。そこにもどかしさがあります。
科学者の役割としては、効果を科学的に説明して、できるだけ学会だったり、論文で報告することによって、一般の人たちにこれはちゃんとしたものですよっていうものを周知させることだと思っています。 一方、実際今困っている人たちに、医薬品にまでして渡そうとすると、10年〜20年かかってしまう。 それでは、意味がないのでできる限り今届けると。
皮肉なのですが、結局日本以外の場所で販売することが一番早い方法かもしれません。でも日本の人が救えない。それで本末転倒なので、私としては学会発表、論文が公知の事実を積み重ねていくことが大切かなと。ひとつのメカニズム、ひとつの成分でもいいので明らかにして科学的エビデンスを構築し、一般の人たちにプレゼンテーションしていくというのが、使命かなと思っています。
国立大学教授
宇都 義浩(うと よしひろ)教授
九州工業大学情報工学部卒業後、同大学院情報工学研究科修了。博士(情報工学)。分析化学、有機化学、メディシナルケミストリーの研究に従事し、がんのサバイバル戦略を標的とした多機能性放射線増感剤やがんや自己免疫疾患に対する免疫賦活剤の研究開発なども行っている。