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2024.5.16

超腸活入門!②腸活ってどんなこと?

私たちの健康にとって非常に大切な位置を占めることが分かってきた、腸という器官。

その腸の中に棲む無数の細菌とそれらの細菌群のバランスが腸内環境の良し悪しを左右し、私たちの身体に影響していることを前稿(https://physical.ne.jp/archives/479)で見てきました。

今回は腸内環境を良くする「腸活」とはどんなことなのか?腸活の中身をざっくりと見てみましょう。

何を食べるかで大きく変わる

食生活は腸内環境に大きな影響を与えます。

善玉菌あるいは悪玉菌を増やす食事とはそれぞれどんなものなのか?善玉菌が増えるような食をこころがけることが腸活につながります。

悪玉菌の好物は?

悪玉菌はタンパク質や脂肪を多く含む食品が大好き。

日本人の食生活は伝統的に、穀類と野菜、魚中心だったのが、食の欧米化、肉食化が腸内環境を悪化させている要因のひとつと指摘されています。

善玉菌が減り悪玉菌の割合が一定以上になってしまうと、日和見菌も悪玉菌のように身体にとって悪性の物質を生成するようになり、腸内フローラのバランスが悪化してしまいます。

善玉菌の好物は?

一方、善玉菌のエサとなるのは食物繊維やオリゴ糖など。それらを多く含む食品といえば、野菜や海藻、穀類などです。

食物繊維は細かく分けると、水に溶けにくい不溶性食物繊維と水に溶けやすい水溶性食物繊維があり、腸内細菌たちの直接のエサとなるのは水溶性食物繊維の方。多く含まれる食材は大麦やオートミール、海藻などです。

不溶性食物繊維はキャベツやホウレン草、キノコなどに多く含まれ、ほかにも多くの野菜、未精製の穀物に含まれていますが、硬いので善玉菌のエサにはなりにくいとされます。

それでも便通を良くするなど腸内環境を整えるための意義はあります。水溶性、不溶性いずれの食物繊維も豊富に含む食材としては、ゴボウやニンジン、納豆、アボカドなどがあります。

また、オリゴ糖はゴボウやタマネギ、ネギ、大豆、バナナなどに多く含まれているもので、甘味料としても売られています。

こうした善玉菌のエサになる食物を積極的に摂り、善玉菌を増やすことは腸活につながります。

善玉菌じたいを補充する

乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌を含むものを直接食べるのも、ひとつの手です。

こうした菌が多く含まれる食品といえば、ヨーグルトや納豆、漬物、みそ、チーズといった発酵食品が有名。乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌、納豆菌など食品によって含まれる菌はそれぞれ違います。

ヒトの腸内フローラは一人一人、千差万別なので、どの善玉菌を補えばよいかは一概には言えません。

また腸内フローラの多様性も重要なので、特定の善玉菌ばかりを補うのでなく、できるだけ様々な食品を摂る方が良いとされています。

注意したいのは、多くの場合、発酵食品を食べて善玉菌を摂取したとしても、消化の過程で善玉菌は大腸に届く前に死んでしまうという点。

それでも、善玉菌の死がいじたいが善玉菌のエサになるので無意味とは言えず、生きたまま腸に行きつくものもゼロというわけではありません。

とはいえ、生きたまま善玉菌が腸内に届いたとしてもそのまま住みつくわけでなく、いずれ体の外に排出されていくようです。そのため善玉菌を含む食品は継続して食べることがのぞましいとされています。

運動・マッサージ

運動やお腹のマッサージも腸活になります。いずれも腸内細菌に直接働きかけるわけではありませんが、腸内環境を悪化させる便秘を避けられることがポイントです。

適度な運動は排便に必要な筋力を維持するために必要で、またストレスを発散して自律神経のバランスを整え、腸の動きを良くすることも便秘の予防になります。(自律神経についてはこちら:https://physical.ne.jp/archives/421)

ウォーキングやヨガなど、自分自身に合った運動を見つけて、日常で継続的に運動できると良さそうです。

また、おへその辺りを「の」の字を書くようにしてやさしくマッサージするのも、刺激を与えて腸の動きを活発にするのに有効とされています。

生活習慣とストレスケア

すでに述べた食事や運動などのほかに気をつけることといえば、やはり生活習慣とストレスケアです。

健康について調べてみると、必ずといってよいほどこれらのワードに出会うかと思いますが……運動の項でも述べたように、これらはやはり自律神経のバランスを整えるために必要なのです。

内臓の動きをつかさどる自律神経のバランスが乱れないことが、腸活にとってのキーポイント。腸内環境を悪化させる便秘にならないようにするためにも、ストレスケア、毎朝きちんと朝食をとること、夜遅くにものを食べないといったことも大切になります。

まとめ

腸活には食べるものや運動、生活習慣などいくつものアプローチがあります。「これさえやれば大丈夫」というような特効薬的な活動はありません。

腸に良いとされている食べ物やサプリメントを毎日気をつけてとっていたとしても、不規則でストレスいっぱいの毎日を送っているのでは、腸はもとより体調も良くならないわけです。

様々な要素が絡み合い、総合して影響し合うのが自然の摂理、人体の仕組み。

今回は、腸活とはどのようなことをすればよいのか、おおざっぱにまとめました。ほかにも腸活にまつわる様々な情報がありますので、追ってお伝えしたいと思います。

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