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2024.1.11

風邪や花粉症予防に 集中力アップに!鼻うがいのススメ

風邪がはやる季節です。のどのセルフケアに続きまして、鼻のセルフケア方法をご紹介したいと思います。
新型コロナウイルスやインフルエンザの流行で、または花粉症に悩む人が増えていることから、じわじわと知られ始めている「鼻うがい」。
鼻に水を入れるイメージから、怖そう、痛そうと感じられる方も多いかもしれませんが、やってみるとその気持ち良さにハマり、習慣化している人もいるほどです。
ぜひ参考にしてみてください。

アーユルヴェーダの鼻うがい「ジェラネティ」

5000年以上の歴史を持つインド・スリランカの伝統医学「アーユルヴェーダ」には、心身を健やかに保つための治療法や食事、生活習慣に関する様々な知恵が記されています。そのひとつに、鼻の浄化法「ジャラネティ」、鼻うがいがあります。

アーユルヴェーダでは鼻は脳の入り口として位置づけられ、鼻づまりは思考の低下につながると考えられます。そんなわけで、アーユルヴェーダでは鼻うがいやオイルを使用する鼻の浄化法が紹介されているのです。

鼻うがいの効果

主に次のようなものが期待されます。
・鼻の中の汚れを洗い流す
・呼吸をしやすくする
・集中力を高める
・鼻づまり、花粉症、鼻炎の予防

それでは、ジャラネティ的鼻うがいのやり方です。
☆用意するもの
・人肌に冷ましたお湯 500ml
・天然塩 4~5g(濃度0.9~1%ほどの塩水になるように)
・ネティポット(専用の器具)
お湯は、鼻の中に入れるため、水道から出したままのお湯ではなく、一度沸騰させて滅菌したものを人肌にまで冷ましましょう。
ネティポットとは、鼻うがいのために使用されているポットです。日本の急須のような持ち手と注ぎ口のある形状で、日本でもインターネットなどで購入することができます。また、ネティポットがなくても、別のもので代用してOKです。

☆やり方
1
 沸騰させた後、人肌に冷ましたお湯に分量の塩を溶かす
2  塩水をネティポットに入れる
3  洗面台の前でおじぎのように頭を下げてかがみ、顔は右を向く。(両の鼻の穴が縦~斜めに並ぶようにする)
右の鼻の穴にネティポットの口をつけ、塩水を鼻の穴に流しこむ(鼻が通っていれば反対側の鼻の穴から流れ出てくる)
4  次は左を向いて、左の鼻の穴で同様に行う
5  塩水が鼻の奥に残っていることがあるので、流れ出てくるのにまかせる。その後、両鼻からフッフッと息を出してさらに水を出し切る

☆注意点

ジャラネティは、寝る前にするのは避けた方がよいとされています。副鼻腔に水が残ったまま寝ると、肺や耳の方に水が流れてしまう可能性があるためです。多くは朝、特に起床後、ヨガの呼吸法や瞑想などと合わせて朝のルーティーンの一部として実践されています。
また、片頭痛、高血圧、鼻血のある人は禁忌とされています。

耳鼻科もすすめる「鼻洗浄」

鼻うがい、日本では「鼻洗浄」と言われることも多く、いくつかの耳鼻科で推奨されてもいます。
その理由は、鼻の奥の上咽頭に塩水を流すことで、出てきにくい粘り気のある鼻水、花粉やホコリなどのアレルギー物質、雑菌やウイルスなどを洗い流すことができるから。
花粉症、アレルギー性鼻炎の緩和、副鼻腔炎や蓄膿症の予防と症状の緩和などに効果があるとされています。また、風邪やインフルエンザ等の予防にもなります。
花粉症や鼻炎などは、多くの人がなかなか治らずに長期間にわたり患っていることが多いもの。洗い流すだけで効果が期待できるなら、やってみない手はないのではないでしょうか?

☆やり方

1 洗面台など濡れてもよい場所で、頭を下げた前かがみの姿勢になる
2 片鼻ずつ、用意した人肌に冷ました食塩水を鼻の穴に注入する。口をあけ「あー」と声を出しながら塩水を注ぐと、やりやすい。注入した塩水が鼻の穴、口から流れ出てくればOK
3 最後に、塩水を鼻の中に残さないようにやさしく鼻をかむ

やり方は、アーユルヴェーダのジェラネティとほぼ同じですね。
塩水の作り方も同じく、一度沸騰させてから冷ました40℃くらいの白湯で、人間の体液と同じ塩分濃度0.9%の生理食塩水を作ります。これを使うことで、鼻に水が入ることによる痛みがなく、鼻の中を洗うことができます。

☆注意点

まずは姿勢です。「うがい」と呼ばれてはいますが、絶対に上を向いてやらないこと!耳に水が流れ込んで中耳炎を招く恐れがあります。途中で唾液や流れてきた水を飲みこむのも、同様のおそれがあります。
次に、洗浄後に鼻をかむ際、強くかまずに「やさしく」かみましょう。

市販されている鼻洗浄グッズ

ドラッグストアなどで鼻洗浄グッズは販売されています。一部をご紹介します。

「ハナノア」
https://www.kobayashi.co.jp/brand/hananoa/

「ハナクリーンS」
https://hana-clean.com/product-list-hanaclean/hanaclean-s

「NeilMed」
https://www.neilmed.jp/products/57/

筆者が使用してみた感想では、ジャラネティの方が左右の鼻の間を通すので、よりスッキリ感が高いです。一方、鼻洗浄グッズは洗浄剤や専用液がセットになっているものが多く、塩を軽量したり、湯を沸かして冷ましたりする手間がありません。手軽に鼻洗浄ができるので、忙しくても習慣的に鼻洗浄に取り組みやすいと思います。

鼻呼吸が全身の健康に影響する!

鼻うがいの良さは、まだあります。
それは、鼻呼吸ができるようにするということです。

例えば、副鼻腔炎や花粉症などで鼻がつまっていると頭痛のもとになります。
アーユルヴェーダで「鼻は脳の入り口」と言われるように、鼻がつまっていると頭がすっきりせず、ものごとに集中することができません。
眠りも浅くなります。睡眠不足は免疫力の低下や思考力の低下、イライラや肌トラブルなど、様々な不調につながることが知られています。

また、歯科医でも鼻呼吸の大切さが説かれるのを聞いたことはないでしょうか。口呼吸は口内が乾燥するので、虫歯や歯周病を引き起こしますし、子どもの歯並びを悪くするなどと言われます。

鼻うがいで鼻呼吸ができるように整える

鼻うがいは、鼻炎など鼻の局所的な対処だけでなく、全身の健康を保つためのセルフケアだと考えても言い過ぎではないのではないでしょうか?
それなのに、塩とお湯さえあればすぐに取り組むことができ、お金もかからず経済的。いくつかの注意事項に気をつけて、一度トライしてみてはいかがでしょうか。

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