PHYSICAL

NEWS ARCHIVES

2023.11.20 ,

老化は食い止められる?!日常できる老化対策とは?《前編》

老化――それは誰もがいずれは向き合うことになる現象。

年齢を重ねることを魅力として捉えられる人もいますが、できることなら見た目も中身も若々しくいたいと思うものです。

同じ年齢でも、肌にハリがありしわやシミが少ない人ほど、若く見られます。

人によって疲れやすさも異なり、1日中エネルギッシュに動ける人とそうでない人がいるのも、老化度が関わっていると考えられています。

つまり、老化は加齢とともに誰にでも訪れるものではありますが、その進行具合には個人差があるということ。それはなぜなのでしょうか?老けにくい体になるには、どうすればよいのでしょうか?

この稿では、老化の原因を知り、日常でできる対策のヒントをご紹介しようと思います。

老化ってどういうこと?

老化のメカニズムには複数の説がありますが、生まれてから死に至るまでの体の変化のサイクルのうち、成人するまでのそれを私たちは「成長」と呼び、体が成熟した以降については「老化」と呼んでいます。老化の症状、特徴には次のようにたくさんのものがあります。

もの忘れ・夜間のトイレの回数が増える・耳がとおくなる・老眼・薄毛・動悸息切れ・しわやシミの増加・肌のはりがなくなる・・・などなど。

こうした生活や美容面での不都合だけでなく、高齢になって増えてくる病気の数々も、体の老化に伴って起こると考えられます。できることならくい止めたい、症状が出るのを遅らせたいものです。

そこで、老化の原因を知り、できる対策を考えてみましょう。

老化の三大要因

老化の原因には主に次の3点が挙げられます。

・酸化

・糖化

・ミトコンドリアの減少

これらはいずれも影響し合い、さらにほかにもホルモンバランスの乱れなども加わって、老化の症状につながります。

そこで、日々のちょっとした心がけで取り入れられる老化防止策を、これからみていきましょう。

老化の原因その1.酸化――活性酸素による体の“サビ”

酸化といえば、金属をサビさせたり、食品を劣化させたりする作用です。物質が酸素と化合する反応を指しますが、これは人体の中でも発生しています。活性酸素によってできた「体のサビ」が蓄積するのが老化の一因、と言われたりもしていますよね。

この活性酸素とは、呼吸によって体に取り込まれた酸素の一部が変化したものです。少量であれば体外からの有害物質を除去し免疫機能として働くものですが、過剰になり過ぎると体内のさまざまな物質と結びつき、細胞を傷つけ、老化の原因となってしまいます。

活性酸素が増加してしまう背景には、加齢だけでなく、大気汚染や紫外線、喫煙、過度な飲酒、過剰な心身ストレスなども関わっていると考えられています。

活性酸素を増やさないようにするには、これらの要因を減らすように気をつけるとともに、「抗酸化物質」を積極的に摂取するという手があります。

酸化防止:「抗酸化物質」の活用

抗酸化物質・・・活性酸素を取り除き、酸化の働きをおさえる物質

老化現象を引き起こす活性酸素による体内の酸化進行をくい止めてくれるのが、抗酸化物質です。この抗酸化物質は、一般的なスーパーマーケットの店頭に並んでいるような食品の中にも含まれています。そんな食品を日々の食生活に取り入れることが、老化対策につながりますよ!抗酸化物質を豊富に含む食材には、次のようなものがあります。

▼(抗酸化物質の種類)・・・(含まれる食材)の順

▼ポリフェノール・・・赤ワイン、玉ねぎ、ごま、大豆、ブルーベリー、緑茶など

▼カロテノイド・・・にんじん、パプリカ、ほうれん草、小松菜などの緑黄色野菜

▼ビタミンC・・・レモン、アセロラ、キウイなど

▼ビタミンE・・・アーモンド、落花生などナッツ類

もちろん、ひとつの食材には複数の栄養素が含まれていますし、上記の抗酸化物質だけを重視すればよいというわけではありません。抗酸化物質の摂取を意識しつつ、栄養バランスの良い食生活を日々、考えていけるとよいですね。

老化の原因その2.糖化――AGEによる体の“コゲ”

パンを焼く際に表面がきつね色に変化しますね。これは牛乳や卵のタンパク質が砂糖と反応しているのです。

これが「糖化」と呼ばれる反応です。

私たちの体内でも、タンパク質と食事で摂取した糖とが結びつく「糖化」が起こっています。糖化のプロセスで「AGE」(糖化最終生成物)という物質がつくられます。このAGEが悪玉物質で、体に溜まると肌を老化させ、病気を引き起こす原因となってしまうのです。たるみやほうれい線、シミの増加など肌トラブルの多くにAGEが関わっていることがわかっています。

先に挙げたパンがこんがりきつね色になるのに見立てて、体内で起こる糖化のことを「体のコゲ」と表現することもあります。1章の「酸化」でできるのが体のサビなら、「糖化」はコゲ。サビたりコゲついたりしないように意識したいですね。

それでは、AGEが溜まらないようにするにはどうすればよいのでしょうか?

糖化防止:余分な糖の排除

糖分はエネルギー源として大切な栄養素ですが、ここで問題なのは「余分な」糖分。必要以上の糖分は体内で糖化を進め、AGEを発生させる原因となってしまいます。そこで、体の糖化を防止するための次のような3つの対策が考えられます。

▼血糖値の急上昇をおさえる順序で食事をする

▼糖化をおさえる栄養素の摂取を意識する

▼おやつの食べ過ぎに注意する

まずは食べる順について。

糖化には血糖値の上昇が大きく関わっています。血糖値が高いとAGEが発生しやすいことから、血糖値の急上昇をおさえることが大切です。これは食べる順序ひとつでも影響があり、野菜やきのこといった血糖値を上げにくい食材から箸をつけていくのがよいでしょう。それから肉や魚などのタンパク質を、糖質を多く含むイモ類やごはん、パンなどは最後に食べる。同じ食事内容でも、こうしたことを意識するだけで血糖値の急上昇を防ぐことができます。

糖化をおさえる栄養素には、ビタミンCやカテキン、鉄分、食物繊維、コラーゲンといったものがあります。普段の食事で足りていなさそうなら、サプリメントなどで補ってもよいでしょう。

加えて、AGEそのものを多く含む食べ物を避けることも有効です。熱によってタンパク質と糖が結び付くことでAGEが生成されるので、加熱調理された加工品は高AGEなことが多いです。

糖化防止の観点から食べすぎに気をつけたい食品といえば、加工肉(ハムやベーコンなど)やファストフード、糖分たっぷりの甘いお菓子など。「おやつの食べすぎに注意」にも通じます。「果糖ブドウ糖液糖」がたっぷり入ったジュース、スポーツ飲料なども要注意。果糖はブドウ糖の10倍以上もAGEを生成しやすい糖なのです。

(後編につづく)

LATEST ARCHIVES

投稿一覧